紙に息づくものThe Life Within Paper和紙、水溶性版画絵具、シナベニヤ版木木版画|H1000 × W620mm(3点)、H297 × W420mm(53点)本|H297 × W420mm和紙|H297 × W420mm
紙に温かみを感じるのはなぜなのか。 それは、その源に和紙があり、たくさんの豊かなもの、そして「人間らしさ」が息づいているからだった。現代に生きる私たちにとって大事なことを、紙は教えてくれる。 そんな紙をつくる職人たちの姿、流れる情景、そして手でつくることを信じた先人たちの言葉、私自身が感じた感情、全てを木版画に起こした。そして、それらを手で漉かれた紙に刷った。 私自身も一人の人間として、拙くとも手でつくること、紙に在る豊かさを、全身全霊でここに体現する。 野中咲希
紙の魅力とは何か。合理性の希求によって見過ごされてきたこの問いに向き合うべく、作者はかつて紙漉きを生業とする人々で成り立ち、現在でも紙漉きが行われている村に趣き、職人たちの取材や自ら紙を漉くことを通して、そこで流れる時間や自身の中で育まれた思考をまるごと木版画で写し取ろうと試みた。自身の言葉だけで構成される最終章は作者によって漉かれた紙である。思うような形にならない絵や文字を掘り続け、自らの身体を通してつくられた本作は、テクノロジーが溶け込んだ環境に生きる私たちに対して、忘れてはならない大切なものづくりの根源を静かに、力強く語りかけている。 視覚伝達デザイン学科教授 中野豪雄
作者より
紙に温かみを感じるのはなぜなのか。
それは、その源に和紙があり、たくさんの豊かなもの、そして「人間らしさ」が息づいているからだった。現代に生きる私たちにとって大事なことを、紙は教えてくれる。
そんな紙をつくる職人たちの姿、流れる情景、そして手でつくることを信じた先人たちの言葉、私自身が感じた感情、全てを木版画に起こした。そして、それらを手で漉かれた紙に刷った。
私自身も一人の人間として、拙くとも手でつくること、紙に在る豊かさを、全身全霊でここに体現する。
野中咲希
担当教員より
紙の魅力とは何か。合理性の希求によって見過ごされてきたこの問いに向き合うべく、作者はかつて紙漉きを生業とする人々で成り立ち、現在でも紙漉きが行われている村に趣き、職人たちの取材や自ら紙を漉くことを通して、そこで流れる時間や自身の中で育まれた思考をまるごと木版画で写し取ろうと試みた。自身の言葉だけで構成される最終章は作者によって漉かれた紙である。思うような形にならない絵や文字を掘り続け、自らの身体を通してつくられた本作は、テクノロジーが溶け込んだ環境に生きる私たちに対して、忘れてはならない大切なものづくりの根源を静かに、力強く語りかけている。
視覚伝達デザイン学科教授 中野豪雄