岡﨑実央

Okazaki Mio

四角いジャングル
The Square Jungle

キャンバス、アクリル
Canvas, acrylic
H3501 × W3501mm

作者より

私は4年間プロレスの作品しか作ってきませんでした。この作品は最後のプロレス作品です。今回はリングの周りを囲む観客(リングの4方向を囲むパイプ椅子席、指定席、立ち見のバルコニー席)それぞれからみえるプロレスというエンターテインメントをピカソやブラックが発展させたキュビズム(様々な角度から見た対象の形を1つの画面に収める技法)を使い表現しました。また、プロレスのスケールの大きさを体験してもらうため、レスラーを等身大(またはそれ以上)の大きさで描きました。4年間の最後に何かを言うとしたら、この言葉でしょう。「1番スゲエのはプロレスなんだよ!」

岡﨑実央

担当教員より

好きなことに拘るとここまでの表現が得られるのかと驚かされた。岡崎さんは度外れた「プロレス」のファンだ。「プロレスの観客はレスラーの動きを一方向からしか見ることが出来ないと言う」「もしレフリーのように動きながら観戦できたらプロレスの技の掛け合いはもっと面白くなると言う」。そしてレフリーの視点で、レスラーを原寸大で「四角いジャングル」を描いた。制作過程で描いていたモノクロームのドローイングも魅力的だったが、彩度と明度が的確にコントロールされた色彩によって描かれた作品は魅力が倍加している。好きなことこそ表現の原点となる好例だ。

視覚伝達デザイン学科教授 新島実