昭和の歌舞伎絵師 鳥居忠雅- 伝統継承の担い手としての生涯と仕事を探る -論文|76ページ 32,306字資料編|35ページ
鳥居派は、芝居小屋の絵看板制作などでの歌舞伎との関係によって、江戸時代から現代まで300年以上続く唯一の浮世絵の流派となっている。本研究では、昭和18年から昭和45年までの間、東京・歌舞伎座の絵看板を描いた絵師・鳥居忠雅の生涯と仕事に注目し、この鳥居派の存続において、「何代目」とは無縁の彼がどのような役割を担い、なぜそれができたのかについて、歌舞伎との関係や彼の作品と歌舞伎研究の実績などを検証し、解明する。 鈴木誠
時間をかけた入念な調査によって記録資料を掘り起こし、これまであまり知られていなかった鳥居忠雅の生涯と活動の全体像を明らかにした意欲作。忠雅とは親戚関係にある鈴木さんならではの貴重な資料やエピソードを盛り込みつつ、身内贔屓の過大解釈に陥ることなく、信頼性の高い資料選択による客観的な事実に基づいた分析・考察がなされている。『隈取十八番』『演劇界』などの図版や資料データを豊富に示した実証的な論述展開は、論理的で説得力がある。 通信教育課程 芸術文化学科教授 田村裕
作者より
鳥居派は、芝居小屋の絵看板制作などでの歌舞伎との関係によって、江戸時代から現代まで300年以上続く唯一の浮世絵の流派となっている。本研究では、昭和18年から昭和45年までの間、東京・歌舞伎座の絵看板を描いた絵師・鳥居忠雅の生涯と仕事に注目し、この鳥居派の存続において、「何代目」とは無縁の彼がどのような役割を担い、なぜそれができたのかについて、歌舞伎との関係や彼の作品と歌舞伎研究の実績などを検証し、解明する。
鈴木誠
担当教員より
時間をかけた入念な調査によって記録資料を掘り起こし、これまであまり知られていなかった鳥居忠雅の生涯と活動の全体像を明らかにした意欲作。忠雅とは親戚関係にある鈴木さんならではの貴重な資料やエピソードを盛り込みつつ、身内贔屓の過大解釈に陥ることなく、信頼性の高い資料選択による客観的な事実に基づいた分析・考察がなされている。『隈取十八番』『演劇界』などの図版や資料データを豊富に示した実証的な論述展開は、論理的で説得力がある。
通信教育課程 芸術文化学科教授 田村裕