森川理恵

MORIKAWA Rie

言葉の派生

紙、クラウドコンピューテングシステム
パネル|各H420 × W594mm ×8点、H1189 × W841mm、H841 × W594mm、H915 × W210 × D210mm

作者より

素晴らしい小説は言葉を考え抜いて創り上げたのでしょう。故に人々に愛される作品として残っているのです。その作品から文豪の考えを感じ取りたいと思い言葉の解析を考えました。文豪8名の小説を機械学習により自然言語処理し、ある言葉に対する近しい言葉の値を得ることにより、言葉の派生の比較を試みました。樹形図は言葉をベクトル化しコサイン類似度を算出し、近しい言葉の派生を表現しています。シルエットは小説の形態素解析を行い名詞と形容詞を抜き出し言葉の量を可視化しています。Webサイトは展示以外の樹形図、代表作の可視化や、近しい言葉検索を作りました。文豪の考えを読み取り、文豪と語るように言葉の派生を楽しめます。

森川理恵

担当教員より

文字だけで表される小説の世界。作家にはそれぞれ個性があるが、その個性はどこにあるのだろうか。この作品は文字データを解析し、その構造を視覚化することで作家ごとの差異を明らかにしようとしています。視覚化の手法としては目新しいものではありませんが、作家の選定や比較方法、プレゼンテーションにおいて丁寧に構成された秀作です。じっくり見れば見るほど作家像が浮かび上がってきます。さらに次の展開を期待させる作品です。

通信教育課程 デザイン情報学科教授 清水恒平