ション インテンヤン

作者より

戦乱の時代を乗り越え、平和と静謐の桃源郷に辿り着きたい。乱世中に生きる陶淵明はこう願っていた。そして、多忙な現代社会から離れ、自然の溢れる我が家を造ることが私の願いである。一つの「桃源郷」を創り、自然を一番身近な建築である住宅に融合し、人々が大自然への尊敬を呼び覚まし、その重要性を改めて理解してもらう。

ション インテンヤン

担当教員より

作者は洞窟の中の奥を抜けた先に広がる芳醇な緑あふれる風景に「桃源郷」を見出した。
そしてそれは都市における植物と共生する住空間へと翻訳された。ビルの谷間の路地を抜けるとそこには緑の渓谷のような中庭が広がっている。その強いイメージと様々な表情を見せる空間構成、そして緑の地形が侵食し外部空間と複雑に絡み合う豊かな内部空間を高く評価した。

工芸工業デザイン学科教授　伊藤真一