吉田航

YOSHIDA Wataru

動きの統計学
Ugokinotoukeigaku

石、アクリル、木材、金属、モーター、LED ストロボ、LED電球
サイズ可変[立体映像装置|H2000 × W1200 × D1200mmを含む]

作者より

アニメーションの語源は生命を意味するラテン語のアニマ。
そこから派生したものが「命を吹き込む」の動詞アニメート。
アニメーションを「命を吹き込む」と捉え直して空間的にアニメーションを展開した。
アニメートする行為が種を植えている人に見えてアニメーションが生命を吹き込むことに気づきます。

吉田航

担当教員より

吉田さんは映画前史に位置付けられる映像装置に関心を深めてきた。知覚や認知のプロセスを利用しイリュージョンを生み出す表現は、人々を非日常へといざなう空間演出デザイン学科の担うべき表現領域と言える。当初、円盤の回転とコマ送りを同期する独自の手法に取り組んだ。制作の後半、実際に触れられる物を動かすことで立ち上がる「生命感」にテーマを絞り、物を動かすことの意味を探究した。モチーフの石を配置することを、吉田さんは「植える」と言う。そこには鉱物と植物といった分類を超えた独自の眼差しが垣間見えた。そのような作者のさりげない言葉に触れたとき、作品の見え方はまた大きく変わる。この作品が「動き」を発見する人類史上の一つの物語として、さらなる展開を見せることを期待します。

空間演出デザイン学科教授 鈴木康広