隙間SUKIMA Spaces between things
キャンバス、アクリル絵具、水性ペン絵画|H1940 × W4800mm本|H210 × W297mm
ものを詰め込んだ狭い空間には、満たされる安心感と、窮屈な不安感がある。また、広大な自然は一見何もないようでいて、人工物にはない情報量がある。 人工物が密集してできた小さな隙間。もしそれが詰まったコンテナの移動先が、大海の一部だったら、それらの隙間はどのように変化して感じられるだろうか。 全てのコンテナは離れた場所で対になっている。下駄箱のある細い通路と、靴が押し込まれている隙間のように、スケールの異なる空間が同時に存在している。 奥貫渚
奥貫さんは、机上で描けるサイズの絵やイラストを制作してきたが、卒業制作ではこれまでにないスケールに挑戦した。この大胆な挑戦は、自身の可能性を押し広げるものであり、同時に悪戦苦闘の連続でもあった。遠くから見ると巨大な貨物船からコンテナが溢れ出す壮大な空間が広がる。しかし、近づくと、それぞれのコンテナの中に新たな空間が現れ、さらにその隙間にも新たな空間が無限に生まれていく—。一つ一つが力強く、均衡を保ちつつも濃密に描かれており、その技術力には驚かされる。これまでの学生生活、あるいは成長の過程で鍛錬してきた力が、画面全体に漲っている。そして、この作品は完結したものではなく、さらなる展開を予感させる。その先の展開を見届けたい。 視覚伝達デザイン学科准教授 後藤映則
作者より
ものを詰め込んだ狭い空間には、満たされる安心感と、窮屈な不安感がある。また、広大な自然は一見何もないようでいて、人工物にはない情報量がある。
人工物が密集してできた小さな隙間。もしそれが詰まったコンテナの移動先が、大海の一部だったら、それらの隙間はどのように変化して感じられるだろうか。
全てのコンテナは離れた場所で対になっている。下駄箱のある細い通路と、靴が押し込まれている隙間のように、スケールの異なる空間が同時に存在している。
奥貫渚
担当教員より
奥貫さんは、机上で描けるサイズの絵やイラストを制作してきたが、卒業制作ではこれまでにないスケールに挑戦した。この大胆な挑戦は、自身の可能性を押し広げるものであり、同時に悪戦苦闘の連続でもあった。遠くから見ると巨大な貨物船からコンテナが溢れ出す壮大な空間が広がる。しかし、近づくと、それぞれのコンテナの中に新たな空間が現れ、さらにその隙間にも新たな空間が無限に生まれていく—。一つ一つが力強く、均衡を保ちつつも濃密に描かれており、その技術力には驚かされる。これまでの学生生活、あるいは成長の過程で鍛錬してきた力が、画面全体に漲っている。そして、この作品は完結したものではなく、さらなる展開を予感させる。その先の展開を見届けたい。
視覚伝達デザイン学科准教授 後藤映則