石村裕子

ISHIMURA Hiroko

変わらないもの
Things that don’t change

揺さぶられるもの
Things that can be shaken

キャンバス、油絵具
H1620 × W1303mm、H1620 × W1303mm

作者より

困難を乗り越え、目指すところに向かってひたむきに生きる姿に、人は誰しも心うたれる。それは、人として変わることのない心の動きだ。
大きな椋木(むくのき)は、朝夕に行く犬の散歩コースに生えている。丘状になった雑木林を背景に抱え、じっとそこに立つ。曲がりくねった枝や、枝にできた洞(うろ)がその年月を物語っている。
人の心の変わらない真実が、椋木の姿に重なり合った。

石村裕子

担当教員より

どこにでもありそうな藪という、特別でも美しくもなく、ほとんどの人々は見過ごしてしまうような、極めて日常的な風景を描いている。いわば高尚さとは無縁なモチーフであるが、徹底した観察の下、執拗なまでに緻密に描き込むことで、崇高な風景と化した。そこには自然界の神秘や摂理のようなものが感じられ、見る者を引き付ける。新たな価値を見出すという観点では、アートとしての絵画が求める本質的な表現であると言って良いだろう。

造形学部 通信教育課程 教授 三浦明範