土屋絵里

TSUCHIYA Eri

カバ1
Hippopotamus 1

カバ2
Hippopotamus 2

雲肌麻紙、岩絵具、墨、水干絵具、ほか
H1455 × W1120mm、H1455 × W1120mm

作者より

画面の上で色、線、質感がどのようにあればお互いに響き合うのかに耳を傾けて作業を重ねていきました。卒制では何とか少しでも岩絵具と仲良くなることだけを目標にしました。
日本画Ⅰからずっと、岩絵具が全然上手く使えない、どうしよう!ということばかりでした。卒制を経て感じるのは、岩絵具を上手く使える使えないというより、どちらかというと自分は岩絵具の御用聞きになったような心持ちです。

土屋絵里

担当教員より

カバを主体に描いているが、数字を入れることで鑑賞する側に何かしらの思索を与える作品になっている。例えばカバは輪郭線がそれを感じさせるが、そのものはもともと重量感を感じる生き物で、描かれている状態はそれとは程遠い。作者が描きたいものは、カバのフォルムだけでなく何かしらの形象を感じるものを描くことで画面を成り立たせようとしている。そのことが複合的に絡み合い鑑賞する側に何かを伝える作品となっている。

造形学部 通信教育課程 教授 重政啓治