渋谷暢恵

SHIBUYA Nobue

日本における建築の展覧会 2000年以降の動向
―「場」としての位置付けをめぐって―

論文|43ページ(35,319字)

作者より

美術展と違い、建築展では作品そのものを展示できない。代わりに展示される図面や模型などの資料群は、それらを読み解く建築の専門知識を必要とする。ではなぜ一般を対象とする美術館を中心に数多く開催されているのか。
本研究では、美術館が相次いで開館した2000年以降に東京圏で開催された建築展を対象とし、展示方法にどのような工夫がなされ、何を意図して開催されてきたのか、その「場」としてのあり方の変化を探る。

渋谷暢恵

担当教員より

建築を題材とした展覧会の課題と動向を考察した研究。近年増加傾向にある建築展が、建築文化や都市空間、建築的な思考や構想、建築を捉える視点までを展示内容とするのを、現物ではなく図面や模型によらざるをえない建築展の難点を乗り越える試みとして位置付けている。展覧会趣旨の分析からは企画意図の拡張あるいは拡散が生じていることが実感でき、結果的に「建築の理解」を巡る従来の議論の狭隘さも浮き彫りにされている。

造形学部 通信教育課程 教授 金子伸二