星野志織

HOSHINO Shiori

5円が落ちている

たくさんの朝

旅立ちの夜に

地層

そろそろ

紙、油性インク、リトグラフ
H490 × W660mm、H880 × W630mm、H920 × W685mm、H880 × W630mm、H490 × W660mm

作者より

版を重ねて版画ができる。
日々を重ねて人生になる。

16年間、版と単位を積み重ねてきました。
私の部屋には地層があります。

星野志織

担当教員より

作者は言う「そんな自分も愛おしい」。

物が散乱したベッド、畳まれない衣類、堆積した何ヶ月分もの使い捨てコンタクトレンズのパッケージ。モチーフは片付けられない部屋、いわゆる汚部屋である。
だが、そのイメージからはネガティブな印象を一切受けない。
紙の余白は清潔感を保ち、神経の通った描写を幾重にも重ねて色彩豊かにリトグラフで表現されている。
自己肯定感が低いと言われる現代日本の社会で、自分自身の短所や欠点を個性として認めることの意義を訴えかけてくる作品である。

造形学部 通信教育課程 非常勤講師 小森琢己