浜崎真帆

HAMASAKI Manaho

LOBBY

ファッションショー|糸、布、わた、ディスプレイ、ほか
12分22秒

作者より

LOBBYは、無臭だ。

そこに集まった人たちの、
装い、それからわずかな動き、
灰色の世界に強烈な匂いが発せられる。

そんなツンと、ニヤリとした、匂いに思いを馳せながら、ミシンで何往復にも刺繍を施す。

まっさらな布が、色をなし、形をなし、
「膨大な糸の集合体」は「人間」となる。

さいごは、踊り狂って。

浜崎真帆

担当教員より

自身のイラストの世界観を直線縫いミシンのみで刺繍、立体化し着ぐるみとして人間に着用させた。
人を観察し、作者の世界のフィルターを通して2次元化したものをさらに3次元に再構築する。
作品を見る側は、何の関係性もなかったであろう人物を微笑みをもって身近に感じ、背景に思いをはせずにはいられなくなる。
そしてそこに愛が生じているのは、作者がその目をもって観察しているからだ。ミシンに向かいマシンガンのように布を打つ途方もない時間は、他者への愛なくてはありえなかったのではないか。

空間演出デザイン学科教授 パトリック ケビン ライアン