峯岸利和

MINEGISHI Toshikazu

褶曲(しゅうきょく)

僻(ひが)

キャンバス、油絵具
H1490 × W1160mm
H1490 × W1160mm

作者より

万能とさえ思われるこのネットワークと言うメディアは、しかし人間相互理解に対し「考え方のずれ」を生じさせ「人間関係に歪み」を発生させる側面を持ちます。今回の出来事で、私はこの事を身をもって感じる様になりました。
今、我々が置かれている環境から生じる「人間相互理解の歪み」を描く事で「自然環境に翻弄される人間の危うさ」を表現する事を目標に本作品を制作しました。

峯岸利和

担当教員より

作品のモチーフはカラーコピーした際に原稿を動かすことで出来た図像の歪みだ。それがイメージの源泉だった。作者は描く行為を通じて油彩の物質性を目指すべきイメージに融合させて、単に形象を描写したものだけでない新たなリアリティを発見したようだ。この発見は思いがけなかっただろうが決して偶然では無い、繰り返し画面に向かい見出した必然だ。そのことを証明する絵具の痕跡は地層の様な表情を宿しながら作品に確認できる。

造形学部 通信教育課程 油絵学科教授(絵画コース) 吉川民仁