近藤直子

KONDO Naoko

データ活用しながら一緒に歩く「小町」

アルミパイプ、硬化発泡ウレタンフォーム、アクリル絵具、楮紙|シルクスクリーン
各H935 × W180 × D180mm(2点)
H900 × W170 × D170mm
H860 × W150 × D150mm

作者より

人生100年時代へ向け、70歳代から「一日20分の外歩き」を厚生労働省が推奨している。外を歩くと人の暮らしや自然に触れ五感が刺激される。ほんの20分の散歩であっても、それは筋肉を鍛えるだけではない五感を磨く時間になる。このプロダクト『小町』はリクエストに応じて毎日の散歩ルートをSNSなど地元情報を元に作成し、ユーザーに教えないまま誘導する。今日はどこを歩いて何に出会うのか。小さな好奇心と探究心を動かし、毎日の散歩が楽しみになるプロダクトへ。

近藤直子

担当教員より

ウチの小町はおじいちゃんを驚かすのが大好きな孫娘。SNSの近所の白梅満開情報と、弱風高湿の天気予報で、絶好の梅の香日和と判断して白梅まで手引きします。「ほー見頃だね」の声でミッション成功を感知。「ちょっと疲れた、もう帰ろう」の声で最短ルートを歩速に合わせて連れて帰ってくれます。
健康促進散歩杖から始まったプロダクトは、ナビシステムと初老の心情そしてモノのあり様を深掘り。
通信課程らしい、少し先輩の方々への優しい気遣いと自身で感じ始めた不安の観察が骨格になっています。

造形学部 通信教育課程 工芸工業デザイン学科非常勤講師(生活環境デザインコース) 萩野美有紀