宮坂賢次

MIYASAKA Kenji

共生Ⅰ
kyouseiⅠ

雲肌麻紙、墨、土絵具、木炭
H1621 × W1303mm

共生Ⅱ
kyousei Ⅱ

雲肌麻紙、岩絵具
H1621 × W1303mm

作者より

私たちは便利な暮らしの中で、自然と共に生きていることを忘れがちだ。でも、自然は今も変わらず私たちに恵みを与え、時に猛威を振るう。
気候変動や自然災害が頻発する時代だからこそ、自然への畏れと敬意を忘れてはいけない。畏怖はただの恐れではなく、自然の力を知り、共に生きるための知恵につながる。
自然をコントロールするのではなく、共に生きる方法を探す。それがこれからの時代に必要な「共生」のかたちなのかもしれない。
そんなことを考えながら描いてみた。

宮坂賢次

担当教員より

建造物・物体と生体との共存共生を追求した画面であろうか。注目したいのは、点と線、面と曲線直線とあらゆる現象を用い融合を試みているその過程である。それはまさに造形であり、作者と画面との対峙の時間であることを感じさせる。抱いたイメージを具現化しようとしている濃密な時間がそこにあり、視線の先の深淵なる絵画空間へと誘われるのだ。向こうにあるのは文明社会の未来なのだろうか。画面は我々に問いかけてくる。

造形学部 通信教育課程 教授 室井佳世