趙晨光

ZHAO Chenguang

TATACO 人工内耳装着児童向けの楽器玩具のデザイン研究

アルミ、ファルカタ材、PETG、ゴム、マグネット、樹脂
H230 × W540 × D420mm

作者より

人工内耳装着児童の音楽体験を向上させることを目的として開発した楽器玩具です。先行研究を参考にし、人工内耳装着児童を対象に実験を行い、人工内耳の音認識特性に基づいて11個の人工内耳音階を楽器の音階として設定しました。さらに、人工内耳装着児童の演奏習慣を考慮し、音色と演奏方法を決定した上で、鍵盤打撃型の楽器「たたこ」をデザインしました。そして、この「たたこ」を用いて作曲を行い、最後にTATACO音楽会を開催しました。

趙晨光

担当教員より

本研究の素晴らしい点は、人工内耳を装着した子どもたちが、音楽メロディーを楽しむことが困難であった問題に対し、解決までの一連のプロセスを明確に示し、開発した楽器の優位性を示したことにある。
先ず人工内耳を装着した子どもたちが、聴き分けられる約22の音階(人工内耳電極数)の中から、美しい12の音階を定義した。そして、その最適な音色を放つ、演奏がしやすいピアノタイプの新しい楽器を開発した。
実証実験では、本学で小さなコンサートを開き、子どもたちと、健聴者の作曲家、伴奏者や演奏者と一緒に新曲が披露され、子どもたちの笑顔溢れる音楽体験が確認された。

工芸工業デザイン学科教授 中原俊三郎