Visually Receipt: Recorded in Kappabashi
インスタレーション|紙、色鉛筆、ディスプレー、粘土、スチレンボード、レジン、アクリル、ポリマークレー、電球、電池
H210 × W296mm(2点)、H146 × W316mm、H146 × W200mm、H257 × W182mm、H150 × W105mm、H187 × W106mm、H128 × W182mm、H188 × W128mm、H177 × W130mm、H148 × W210mm、H189 × W127mm、H130 × W182mm、H163 × W206mm、H149 × W57mm、H133 × W90mm、H128 × W88mm、H125 × W87mm、H104 × W165mm
作者より
合羽橋キッチン道具街を、領収証で再現した。店内の混沌と整理されたシステムを、伝票の表組みを通じて表現し、空間を視覚だけでなく他の感覚も使って解体し、物語として伝えた。各店ごとの特徴を描き込むことで商品や店員の動きがセルに宿り、新しい物語が生まれる。何も書かれていない伝票の表にもすでに生活感が漂っている。私はただその力を借りて、合羽橋で見た世界をびっしり描き込み、その後の結果を観察する者に過ぎない。
Lily Ongartthaworn
担当教員より
東京でも特異な場所であるかっぱ橋道具街に焦点を当て、店ごとに異なる伝票に着目し、視覚コミュニケーションの可能性を探求した研究である。枠線や店主の手書き文字の入った伝票一枚の上に生きた時間を描き込んだ絵図。漫画のような読後感が残る映像。奥行きに物語を拡張した立体模型。その一連の創作におけるアーティストとしての独創性は勿論、驚くべきは店内のカオスに隠れているシステムを見つけ出した研究者としての観察眼である。作者が実際に店を訪れて取材し、そこで得た情報や感情を伝票の上に視覚システムとして構築し、整理されたインターフェースとして成立させる。彼女だけに見えていることが確実にあり、作品を通して我々にその世界をほんの少しだけ覗かせてくれる。
基礎デザイン学科准教授 三澤遥