まぶたの裏にて、ひゅっとちるSparkling behind the eyelids
粒をはなつほしParticlesぱっとあつめて、またひかるGathering light桜御影石、赤御影石H320 × W820 × D330mm、H350 × W1300 × D960mm写真(1〜2枚目):柳場大
まぶたの裏に浮かんだ光のノイズの重なりや浮遊するかたちを、石や膜をはがしとる行為により解釈し留めている。日常の見逃してしまっている瞬間をかたちに留め、人々の持つ感覚の可能性の再認識を試みる。 外に出てふと空を見上げると、まぶしくて思わず目を細める。 まばたきをするたびに太陽がまつげに落ち、宝石のように反射し輝く。 身体に向かってくる一瞬の現象を記憶し、留めてみること。 近くにいる光を抱きしめて、遠くの星に想いを馳せる。 伴佳七子
空間を浮遊し、光が透過している。 石という硬質な物質で彫刻された作品は、物体として形を繋ぐ彫刻的な量塊を表すような、石彫の技術を駆使されているわけではなく、圧倒的な存在感を放っているわけでもない。空間と対峙し同化するように描かれ配置されている作品たちの本質は、作者が瞼を閉じた時に微かに見える世界というリアリティにある。空間とは具体的な場ではなく、常に作者の中にある。不在の場にて、石という物体は内側に引力があり質量が失われているかのように彫刻されている。その表面から微かに光る粒子の集合体は、別次元の空間へと誘う。物体が纏うたおやかな空気感は、懐かしみのある風景を想起させ、その風景は身体に恒久的に染み付く記憶を呼び起こす。 彫刻学科教授 保井智貴
作者より
まぶたの裏に浮かんだ光のノイズの重なりや浮遊するかたちを、石や膜をはがしとる行為により解釈し留めている。日常の見逃してしまっている瞬間をかたちに留め、人々の持つ感覚の可能性の再認識を試みる。
外に出てふと空を見上げると、まぶしくて思わず目を細める。
まばたきをするたびに太陽がまつげに落ち、宝石のように反射し輝く。
身体に向かってくる一瞬の現象を記憶し、留めてみること。
近くにいる光を抱きしめて、遠くの星に想いを馳せる。
伴佳七子
担当教員より
空間を浮遊し、光が透過している。
石という硬質な物質で彫刻された作品は、物体として形を繋ぐ彫刻的な量塊を表すような、石彫の技術を駆使されているわけではなく、圧倒的な存在感を放っているわけでもない。空間と対峙し同化するように描かれ配置されている作品たちの本質は、作者が瞼を閉じた時に微かに見える世界というリアリティにある。空間とは具体的な場ではなく、常に作者の中にある。不在の場にて、石という物体は内側に引力があり質量が失われているかのように彫刻されている。その表面から微かに光る粒子の集合体は、別次元の空間へと誘う。物体が纏うたおやかな空気感は、懐かしみのある風景を想起させ、その風景は身体に恒久的に染み付く記憶を呼び起こす。
彫刻学科教授 保井智貴