志村華菜

SHIMURA Kana

fellings

ガラス、ホットワーク、スランピング、フュージング、キャスティング
H250 × W910 × D600mm、H250 × W600 × D300mm、H300 × W500 × D300mm、H250 × W700 × D250mm、H200 × W700 × D450mm、H300 × W400 × D350mm、H300 × W550 × D230mm

作者より

今まで使用されてきた、量産する為の型という概念を変え、型自体を吹き込むガラスと同じ素材、ガラスに変換して制作。
型そのものを作品の一部として考え、型とそこへ吹き込まれるものが合わさって作られる造形に新たな可能性を見出した。
また、この型の存在が人が生きていくときの壁やストレス、悩みであると捉え、吹き込まれるガラスが自分の感情がリンクし、抑圧されることから生まれる人間の勢いやエネルギーを表現している。同じ素材が温度差によって膨らみ、歪み、割れ、揺れ動く。ガラスすなわち感情の勢いをその瞬間に閉じ込めた作品を制作した。

志村華菜

担当教員より

作者は制作過程の「歪み」や金型やセッコウ型による「型吹き」の研究を経て、ガラスの型に吹き込む発想を得る。型も作品の一部と捉え、同じ素材同士の形の変化や表情が生まれることに気づいた。
この作品はガラスでできた型を人生における壁やストレスや悩みなどの外圧と捉え、吹き込むガラスをそれに抗う己の感情やエネルギーを表現している。
わずか10秒あまりの作業時間の中で、吹きガラス技法の特徴を生かし、自分の気持ちをかたちにできたことが高く評価された。

工芸工業デザイン学科教授 大村俊二