学校の眺め
頭が悪い
ワンワン百鬼
ないとめあ・びふぉあ・くりすます
家
冬になってしまった
ごろ寝サブ
赤い地図
ゴミはる
どこにもいけなかった
カチカチ
塔
20代になってしまった
廃材、木製パネル、キャンバス、トレーシングペーパー、油絵具、アクリル絵具、色鉛筆、ボンド
H137 × W155mm
H1620 × W1120mm
H1120 × W3240mm
H1620 × W1303mm
H500 × W652mm
H380 × W455mm
φ360mm
H310 × W250mm
H606 × W910mm
H1303 × W1620mm
H455 × W380mm
H283 × W200mm
H652 × W530mm
作者より
パソコンのインターネット検索した窓枠がたくさんある感じにしたかったです。
情報が乱立してわけがわからないが、一つの強烈なイメージや画像に引きずられたり、また何も興味を持てずに情報としても認識できなかったりしたランダムなイメージを組み合わせて描きました。
今まで「生き辛さを助長する逃れ難い感情」をテーマに制作しました。一見、無駄だと思えるものを使ってみることで、より面白く見た事が無い表現になるのではないかと考え、日常生活の中で出るゴミやインターネットに溢れかえる広告や煽りニュース、SNSのどうでもいい個人動画など情報を利用して、不安と安心と悦楽と虚無感をデジタル映像に起こして絵画に置き換えることをしてきました。
河野志保
担当教員より
混合技法とは一つの作品を実現するのに数種類の技法・素材を混用したものであり、河野の作品はまさしくその言葉通りに作られている。一つの例を挙げれば、捨てられたキャンバスにモデリングペーストを厚く塗り、画面にヒビを入れることから始まり、その上に気に入ったネット上の画像やセルフポートレート、はたまた画像上で構成した作品の原型を転写する。次にはその上から油絵でドローイングをしたり蜜蝋を塗りこめたり、画面はどんどんその重層度を増していくのであるが、また見ると今度はそれらのものを全部取り除こうとし、その痕跡だけが残っているのである。そんなことの繰り返しの果てに河野の作品は生まれている。まさしく混合技法である。それは現代社会の弱者となった者たち、大声で叫ぶことも許されない今の若者が持つ迷いや混沌、暴力や激情を体現しながらの制作とも言えるのではないだろうか。実際、描かれた内容を見ると彼女の身の回りにある取り留めのないものばかりであり、彼女はそれらを切実な思いで表現しようとした結果、そのような技法に自然にたどり着いたのである。
油絵学科教授 水上泰財