ケイ ギョウヒ

JING Xiaofei

Hands-on

プレゼンテーション|PLA樹脂、シリコン、コットンスパンデックス|3Dプリント
モデル|H133 × W574 × D54mm
パネル|H1189 × W4205mm

作者より

自由な生活は手を自由に使えることからなると思う。しかし、リウマチを患った後は関節が痛いので自立できなくなって介助が必要になり、その上料理のときには危険性も一般の人より高い。そこで、本研究は関節リウマチを患って第3レベルに達し、手が腫れ、関節の機能が損なわれた人を研究対象とした。
関節リウマチに対する関節リウマチ患者の認識は「不治の病」との考え方が根強いが、寛解が期待できる疾患になり、自分の食生活から自立し、リハビリテーションによる早期治療をして関節破壊の阻止を本研究に目的とする。関節リウマチのはっきりとした原因は分かっていないが、関節リウマチ患者さんでは、免疫系が正常な組織を異物と誤解して攻撃するため、関節リウマチは自己免疫疾患であると考えられている。
調理頻度は身体機能や QOL(Quality of Life)スコアとは相関が認められなかったことから、調理動作に支障を有しても、実生活では身体状態(身体機能)の程度にかかわらず、調理を実施しており、生活機能、QOLを維持するためにも障害者の調理に関する研究が必要であると考える。それによると、道具と手の間に何かが存在することを仮説とした。腫れた手の握力不足の問題のため、リウマチ患者の体から心理まで配慮し、使ってうれしい調理道具、握るための介助道具、日常のリハビリ手袋と収納容器を提案した。

ケイ ギョウヒ

担当教員より

この研究は、関節リウマチ患者の日常生活から、調理の行為に焦点を当て、問題解決のデザイン研究に取り組んだ内容である。中国の医科大学病院の看護師や患者の協力を得て、丁寧なヒアリングと観察を重ねた。さらに、様々なスタイルのプロトタイプを制作してユーザビリティ評価を行うなど、質的研究から得た「手と道具の間に何かが存在する」という気づきにアイデアを集中させたのが素晴らしかった。その結果、新しいコンセプトと共に、人間中心設計のプロセスを体現させたプロダクトデザインの完成度は高く、大変意義ある研究内容であった。

工芸工業デザイン学科教授 中原俊三郎