チョウ ガン

ZHAO Yan

陝北民俗剪紙における意味構造による視覚⾔語の分析

論文|H210 × W280mm(120ページ 43,000字)
剪紙|H4 × W320 × D230mm、ほか5点
年表|H1200 × W3200mm

作者より

一本の折り線の上にさまざまな切り透かした図像、数の差異視点の転換及び空間位置の変化が豊かに顕われている。紙の折り畳みを繰り返し、折り線の交差構造は幾何学的な規則を形成した。したがって、紙面に配置された図像が幾何学的な規則に緊密な関わりがあると言える。折り線を切り口とし、剪紙モチーフの意味性を読み取ることを試みている。

チョウ ガン

担当教員より

本論文は筆者が、これまで蓄積してきた膨大な収集資料に対して視覚言語的な観点からその図像群の解析を行っている。それは図像が直接意味するものの解読及び、詩経などの歴史研究から成り、シルクロードを手がかりとして、大変興味深い論考となった。彼は剪紙の多種多様なモチーフが記号群を形成し、視覚に訴える独自の造形言語を持っていることを明らかにしようと試みた。
彼の本研究には先行研究にはない新たな知見が多く含まれており、大変高く評価される。また数理造形的な視点という次の課題が発見できたことも大変素晴らしい。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策