佐藤絵莉香

SATO Erika

おたすけドッグ

Arctic good night

Bros ground

シャドーウォリアー

ローカル

ポイント

手のひらで教えて

OKだるま

キャンバス、油絵具
H1940 × W1303mm
H2590 × W1940mm
H727 × W500mm
H1940 × W1303mm
H1620 × W1120mm
H273 × W220mm
H380 × W455mm
H530 × W410mm

作者より

雪に会いたいと思っていた時に雪が東京に降ってくれたこと。
工場の外には木が生えていて、人の気配は一切しないこと。
いつも考えることはそんな素朴でちぐはぐで、でたらめなことばかりだ。
これはフィクションでもあり、ノンフィクションでもある。
毛布のストロークが山となり、必死に描いた服のタッチが雪に見えた。なんだかそれを待ちわびていたかのようで、とても嬉しかった。
描く手は私を裏切り、絵画を時に救ってくれるみたいだ。

佐藤絵莉香

担当教員より

一貫して、彼女が生まれ育った地域の環境、そこで見たものや体験したことを絵画表現のテーマとしている。その方法の土台となるのは、彼女の描く記録性のある絵画的メモ(ドローイング)である。メモとして彼女に掴み取られた現実は、すでに紙の上で半ば抽象性を持った絵画としてよく整理され、機知に飛んだこの土台によって、彼女は大きな油絵に向かう緊張感から解放されているように思う。自由になった彼女の意識は、制作のなかでスピード感ある明るい表情の画面を強く求め試行錯誤を繰り返す。様々な表現形式が生まれてきているなかで、あえて一般的な木枠とキャンバスとごく普通の絵具の表現性を用いて、油絵具の粘稠度を巧みに利用しつつ一気に描き上げられたようにも見えるその絵画は、逆に絵画という存在の不思議さと魅力をぞんぶんに掻き立て、絵画の有効性を証明したと言えるだろう。

油絵学科教授 赤塚祐二