オウ カイテイ

WANG Huiting

IFOLDED-1


棚|H850 × W1490 × D200mm、H1750 × W918 × D230mm
テーブル|H450 × W1100 × D400mm
椅子|H700 × W520 × D400mm

作者より

三次元である家具を撮影することで二次元の写真とし、その画像を用いて再度三次元化した。写真をベースにした造形である本作は、元の写真と微妙な繋がりと微妙な違いを併せ持つ、固有の造形となった。
記号化されたイメージやごく見慣れている物でも、切る、折る、回転するなど、少しの変化を加えるだけで、新たなイメージへと生まれ変わらせることができる。角度を変えて物事を見ると新しい世界が現れ、数え切れない可能性が生まれてくるだろう。

オウ カイテイ

担当教員より

立体としての家具を一旦、写真という媒体を通してシルエットとして2次元化し、それを折り紙の要領で再度3次元化した。その家具の形を借りた造形は、2次元と3次元の境界の狭間に存在する斬新な表現となった。ここに至る考察・実験の量は膨大であり、その密度の濃いプロセスも高く評価したい。デジタル化した制作方法・手段が主流となった今、また新素材を通したデザインの提案が増える中、従前の手法と素材で脱構築的とも言える新たな表現としてデザインに落とし込んだ秀逸な作品である。機能としての家具とは別次元の大胆な挑戦であり、固定化した従来の家具の概念を切り崩す作品とも言える。

工芸工業デザイン学科教授 山中一宏