ソン ボエイ

SUN Muying

LINK PLAY

液晶ディスプレイ、樹脂、紙、コンピュータ、ほか
映像|各7分40秒(3本)
体験装置|H2100 × W2400 × D700mm
立体|H750 × W1300 × D500mm
本|H210 × W297mm(80ページ)

作者より

人間の頭に潜んでいる過去の経験を入り口にして、色々なリズム、瞬間と微細な感覚を映像で繋げる作品である。LINK PLAY とは、二つものを映像でLINKしながら、頭の中でリプレイすることである。無関係の事物とアクションをリンクすることで人間想像力の不思議さを体験してほしい。無関係に見えるものの、共通のリズムは、日常から宇宙へと溶け出していくようだ。 鑑賞者はこのLINK世界に自分の幻想をいかようにも拡大することができる。視覚的なプレイであると同時に、頭脳的・心理的な高密度のプレイでもある。

ソン ボエイ

担当教員より

通常では関係のない行為、例えば「みかんの皮を剥く」と「鉛筆削りで鉛筆を削る」を、「皮が削り取られる」という様相の相似で関係づけ、これを映像で繋いで表現する。相似点のみに焦点を当て、整理された映像の数々は、帰納や演繹を超えた感覚ロジックで世界を面白くリンクしていく。シャープペンの芯が出てくるような小さな事象から、巨大隕石の軌道修正まで、つまり極小から極大まで、世界のある種の原理が、ソン・ボエイの「LINK PLAY」によって痛快に把捉されるのである。

基礎デザイン学科教授 原研哉