ループループLoop Loopインスタレーション|紙、キャンバス、アクリル絵具、オイルパステル、クレヨン、色鉛筆、 ほかサイズ可変
その場所に行く時、目的地に行くまでに一度通った道、おそらく、もう通らない風景の絵を描くことが多い気がする。 その時によって、場所によって、空の色が変わってゆく。影の形が変わってゆく。同じ場面に出会えることは、多分もう二度とない。 松本万智
「ループループ」と名付けられた修了制作展は、大きなキャンバスに描かれた絵もあれば、紙をクシャクシャにして壁に付けたもの・石膏粘土・天井から吊るされたビニールシート・針金などが、ギャラリーの至るところに張り巡らされ、まるでカオスの中に迷い込んだかのようであった。しかしそれらの作品の中には道路を示唆するような構造物や、車内から外を見ているような視線の絵画などが点在し、抽象的な他の作品を読み解くヒントのようになっていた。車に乗っている時、何気に目に止まる建物や、スピードが速くてよくは分からないが、一瞬目に入るものなどがある。車の速度と意識の速度は決して相関的ではなく変則的である。時間とは一元的なものではなく、さまざまな流れの中にあって複数存在することを松本はインスタレーションという形式を借りて表現していた。 油絵学科教授 丸山直文
作者より
その場所に行く時、目的地に行くまでに一度通った道、おそらく、もう通らない風景の絵を描くことが多い気がする。
その時によって、場所によって、空の色が変わってゆく。影の形が変わってゆく。同じ場面に出会えることは、多分もう二度とない。
松本万智
担当教員より
「ループループ」と名付けられた修了制作展は、大きなキャンバスに描かれた絵もあれば、紙をクシャクシャにして壁に付けたもの・石膏粘土・天井から吊るされたビニールシート・針金などが、ギャラリーの至るところに張り巡らされ、まるでカオスの中に迷い込んだかのようであった。しかしそれらの作品の中には道路を示唆するような構造物や、車内から外を見ているような視線の絵画などが点在し、抽象的な他の作品を読み解くヒントのようになっていた。車に乗っている時、何気に目に止まる建物や、スピードが速くてよくは分からないが、一瞬目に入るものなどがある。車の速度と意識の速度は決して相関的ではなく変則的である。時間とは一元的なものではなく、さまざまな流れの中にあって複数存在することを松本はインスタレーションという形式を借りて表現していた。
油絵学科教授 丸山直文