オウ テンテン

WANG Tiantian

世界図絵とは何か ─西洋における啓蒙書のエディトリアルデザインの研究─
What is Orbis Pictus?: A study of editorial design of enlightenment books in the occident

論文|125ページ(45,000字)
年表|H1445 × W3705mm

作者より

かねてより、知識普及に関するエディトリアルデザインに関心を持っていた。知識を普及することについての歴史を辿ると、世界で初めてと言われている言語教科書『世界図絵』と出会った。知識を伝えることの根底である言語教育は、人間が万物を認識する第一歩であり、思想の土台を築く最も重要な要素である。そういう意味において、『世界図絵』は、絵入り言語啓蒙書として認識されている。視覚言語伝達において第一に掲げられる書物『世界図絵』は、どのような影響をうけ、どういう経緯で図像を用い始めたのか。そしてその編集はどのような影響を受けたのか。これらについての疑問を持ち、本論の展開を試みた。

オウ テンテン

担当教員より

研究対象は17世紀にチェコ、イギリス、オランダで教育者として活動したコメニウスの著作『世界図絵』。本書は知識を言語と図版によって伝達する意味において第一等の題材である。オウはこの『世界図絵』に記された痕跡(内容、言語、活字、資材、技術・技法、編集)、およびその背景にある歴史・宗教・思想・哲学・文化など広範な領域を学術と実践を通して調査・分析。過去と現在とを同一線上に位置付けることで、その意義を問いただす成果を導き出している。

視覚伝達デザイン学科教授 白井敬尚