ウ テンカイ

YU Tianhui

ルネ・マグリット研究 —1943-1948 年の作品を中心に—
René Magritte research: Focusing on 1943-1948s works

論文|48ページ(34,740字)

作者より

ルネ・マグリットはベルギー出身の20世紀を代表するモダンアートの芸術家の一人である。私たちの認識の中で、マグリットはシュルレアリスムの画家に分類され、イメージを本来の文脈から切り離し、別の文脈の中に転置するデペイズマンの技法によって制作された絵画作品の印象が強い。そして、従来のマグリット研究の大多数は、デペイズマンによって制作した作品を主な対象としている。しかし多作の画家として、マグリットの典型的なスタイルによる作品を描いた時代のほかに、様々な様式、作風への模索と挑戦を行った実験的な時期も多く、同様にこれらの作品も研究の価値が高いと考えている。

ウ テンカイ

担当教員より

シュルレアリスムの画家ルネ・マグリットの「陽光に満ちたシュルレアリスムの時代」(1943-47年)および「ヴァッシュ(雌牛)の時代」(1948年)と呼ばれる、第二次世界大戦中から戦後の数年間に描かれた作品群についての研究。当時マグリットが書いた論文と手紙の分析や、彼が関心を持っていた過去の芸術家たちの絵画との比較を通じて、この時代の主要作品の意図やタイトルの意味について新しい見解を示した。

美学美術史研究室教授 村上博哉