韻山Poetic Hillsクリア樹脂、紙、3Dプリントサイズ可変
山の中を歩いているように、 詩を読むのは起伏が感じられる。 詩的言葉は隠喩や韻、多義語などの形式により、常に字義を超えた意味を持たせることが多い。詩を読むとき感覚を揺り動かすのは、正に種々の意味の積み重ねによって構成される「言語の地形」だと考える。 その故、地形と「等高線」を形式に、高低を意識する身体的空間経験とつなげることで、詩の読む体験を具象化することを試したい。 ここでは記号論の視点を参考に、言語的意味を「低」から「高」まで区別し、言葉の「高さ」を定義し数値化した。結果として、読者の主観的な発想を刺激でき、解読の余地があればあるほど、言葉は高くなる。 そして高さの異なる言葉が連続し、起伏のある俳句や漢詩、現代詩とその等高線が形成した。本当に表現したいのは言葉の具体的な意味ではなく、詩の重層化による「感覚の起伏」である。 詩は平面ではない。 詩には起伏する空間が存在している。 ゴ カイジ
ゴ・カイジは、詩におけるリズムや韻律、意味の揺らぎ、解釈の幅といったものの変化を、独特の解釈・測定で数値的に処理することで、詩を山脈のような起伏を持ったオブジェクトに変換してみせた。これまでない角度からの詩の解釈として極めてユニークである。ゴ・カイジが試みた表現は明らかに新たな言葉表現の世界であり、その独自性において高く評価されるものであると考えられる。 基礎デザイン学科教授 原研哉
作者より
山の中を歩いているように、
詩を読むのは起伏が感じられる。
詩的言葉は隠喩や韻、多義語などの形式により、常に字義を超えた意味を持たせることが多い。詩を読むとき感覚を揺り動かすのは、正に種々の意味の積み重ねによって構成される「言語の地形」だと考える。
その故、地形と「等高線」を形式に、高低を意識する身体的空間経験とつなげることで、詩の読む体験を具象化することを試したい。
ここでは記号論の視点を参考に、言語的意味を「低」から「高」まで区別し、言葉の「高さ」を定義し数値化した。結果として、読者の主観的な発想を刺激でき、解読の余地があればあるほど、言葉は高くなる。
そして高さの異なる言葉が連続し、起伏のある俳句や漢詩、現代詩とその等高線が形成した。本当に表現したいのは言葉の具体的な意味ではなく、詩の重層化による「感覚の起伏」である。
詩は平面ではない。
詩には起伏する空間が存在している。
ゴ カイジ
担当教員より
ゴ・カイジは、詩におけるリズムや韻律、意味の揺らぎ、解釈の幅といったものの変化を、独特の解釈・測定で数値的に処理することで、詩を山脈のような起伏を持ったオブジェクトに変換してみせた。これまでない角度からの詩の解釈として極めてユニークである。ゴ・カイジが試みた表現は明らかに新たな言葉表現の世界であり、その独自性において高く評価されるものであると考えられる。
基礎デザイン学科教授 原研哉