山口遥輝

YAMAGUCHI Haruki

啓蒙する科学映画 ―視覚化とナラティブの構造―
Enlightening Science Films: The Structure of Visualization and Narrative

論文|63ページ(72,131字)
パネル|H600 × W900mm(5点)
webサイト
映像|20分

作者より

本研究は、映画誕生から1970年代の日本を中心とした科学映画を対象に、視覚表現とナラティブが科学の啓蒙に果たした役割を、コミュニケーション・デザインの視点から体系化した。
文献調査に加え、各作品における撮影・表現技法がモンタージュによっていかに接続されるかを検証し、科学啓蒙における語りのアプローチの分類を試みた。
本来文脈の中にある科学的発見を追体験させる「啓蒙のデザイン」から、情報が断片化する現代に対し、科学コミュニケーションの設計における基礎的知見を提示する。

山口遥輝

担当教員より

本研究は、これまで十分に論じられてこなかった20世紀前半の科学映画を対象に、視覚表現とナラティブが科学啓蒙に果たした役割を、コミュニケーション・デザインの視点から体系化した重要な研究である。詳細な文献調査と視聴記録を基に、実写、特殊撮影(顕微鏡・X線等)、図解・モデルをモンタージュによって接続する構造を分析。その結果、「帰納的」「叙情・哲学的」「仮説実験」の三類型を抽出した。これらが科学的発見の理解を促し、情報を読み解くリテラシーを育む啓蒙デザインとして機能していることを実証した。情報が断片化する現代において、科学コミュニケーション設計の基礎原理を提示した意義は大きい。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策